2006年09月27日

消費者金融のグレーゾーン金利の即時撤廃を求める! 須田慎一郎著「下流喰い」を読む。

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 須田慎一郎著「下流喰い」(ちくま新書)を読んだ。
 同著によれば、「消費者金融業界の個人信用情報機関『全国信用情報センター連合会』の調査(2006年5月23日現在)では、消費者金融の利用者の6人に1人が、三ヶ月以上返済が滞っている状態にあるという。」
 すなわち、「三ヶ月以上返済が滞っている利用者は約267万人にも達していたことが明らかになった」と言う。「しかも4社以上から借りている多重債務者は、驚くべきとことになんと356万人にも達していた(このうち3割上は延滞者)」のだそうだ。
 本書には、多重債務者の闇として、多額の借金を抱えた女性たちが下着一枚で番号を付けられ、「借金+50万円」で風俗店のオーナーに売られていくという「おんな市」の描写まで登場するが、文字通り借金が人の生き血を吸っている現実を赤裸々に描き出しており、何とも背筋が寒くなるのを覚えた。
 一方もう一方の当事者であるサラ金はというと、ウハウハの状態で、同著によれば「サラ金大手は現在、信託銀行各行や外銀、生損保さどから資金などを調達しているが、平均調達金利は1.6〜2.2%までと、なべて低コスト」で、貸付金はというと8割近くが25〜28%の貸出金利で貸し付けられており、単純計算で調達コストのざっと十五倍。儲かって仕方がない」現実が浮き彫りになってくる。
 つまり、出資法の上限金利「29.2%」がカバーするサラ金の25〜28%という貸し出し金利ががいかに高いものかと言えば、同著は諸外国の比較でも明らかにしている。 
 すなわち、ドイツの消費者金融の金利は10%前後で推移していることや、市場主義を掲げるどちらかと言えば高金利のアメリカでさえ、15〜18%であることを見てもそれは明らかであることを同著は指摘するが、「29.2%」と言う法外な金利が自己破産システムを構築している大きな要因となっているといっても過言でないようだ。
 また、こうした金利が金利を呼ぶ、一度落ちたら、二度と這い上がれないサラ金の大手→準大手→中堅・中小→ヤミ金と繋がる借金連鎖による自己破産システムは、まさしく「蟻地獄」を彷彿とさせる。
 そうした現実を見れば、本来は一日も早くグレーゾーン金利を廃止すべきであるのに、自民党の族議員はまだ3年もの猶予期間を認めようと必死だ。
 9月27日付毎日新聞朝刊には、政務官辞任までして消費者金融の規制強化を主張した後藤田前内閣府政務官のインタビューが掲載されていたが、現在の自民党案の法改正後3年でなく、法改正1年で灰色金利撤廃を主張したのは、現在の多重債務者の恐るべき人権侵害の現状を見れば、当然の主張だろう。
 しかし、そうした識者の態度とは裏腹に、消費者金融の影響力はすさまじく、毒がマスコミ全体に回っていることを同著は示唆するが、特に注目すべきは「社会の木鐸」を称する大新聞各社にまで及んでいることである。
 毒がどこまで回っているのかはわからないが、ネットで支持を受けている保守的な「読売新聞」や法改正3年を肯定するかのような社説を9月25日[月] に掲載した「産経新聞」よりも「朝日新聞」や「毎日新聞」、「東京新聞」などがサラ金により批判的な態度を取っているように見えるのは皮肉だとしか言いようがない。
 少なくとも、この問題に対する主張においては、最低でも法改正1年で灰色金利撤廃を主張を支持するのならば、読売や産経などのスタンスではなく朝日や毎日のスタンスを指示したいと思う。

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posted by 無名 太郎 at 23:29| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 人の命を担保に融資するサラ金の大罪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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